潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)とは、大腸の粘膜にびらんや潰瘍が形成され、下痢、粘血便、腹痛や発熱などの症状を呈する大腸の炎症性疾患のこと。これらの症状がよくなったり(緩解)悪くなったり(再燃)を繰り返すことが多く、いまだにその原因は不明。
国が指定する特定疾患の中でも最も患者数の多い疾患のひとつ。患者数推定10万人。発病率2-5人/10万人。推定患者数30人/10万人。
発病してから重症度はさまざまであるが、薬物療法の進化により多くの患者が病勢をコントロールすることができるようになり、普通の生活も十分可能で、生命予後も一般の人と変わらないが、長く患うと大腸がんの可能性が高くなるといわれている。
普段の生活では、睡眠不足や過労に気をつけて、規則正しい生活が大切といわれている。一般的に食物繊維など便秘を解消するような食べ物は避け、低脂肪・低残渣の食品など消化のよいものを摂取することが大切だといわれている。なお、糖分・油分の多い食べ物やカフェイン、アルコール類なども再燃させる可能性があるので、量を考慮して摂取するべきである。ただし、緩解時には特別な食事制限は必要ないという考え方もある。 |